第四回複合アニオンウェブセミナー開催のお知らせ(8月28日更新)

第4回複合アニオンウェブセミナーは9月7日(月)15時を予定しております。

過去3回と開催曜日時間が異なります。ご了承ください。

第4回複合アニオンウェブセミナー
9月7日15:00~17:00

ご興味をお持ちいただけましたら、事務局代表補佐(a.nishinosono(a)cstf.kyushu-u.ac.jp (a)を@にしてください)宛にご連絡お願いいたします。
折り返し、Microsoft Teamsアドレスをお知らせいたします。

講師

殷 しゅう先生 (東北大学, A01 計画)

ソルボサーマル反応による複合アニオン化合物の合成と環境応答機能

[概要] ソルボサーマル反応は、高温高圧の溶媒の存在下で行われる反応のことであり、これらの反応は固相反応などの高温法に比べ、比較的低温で材料を合成できると共に、結晶相や相組成及び粒子サイズ、粒子形態を精密に制御でき、環境にやさしい合成手法であるため、様々な材料合成に広く利用されている。本発表では、ソルボサーマル反応[1]による複合アニオン化合物の合成と環境応答機能にフォーカスし、可視光応答光触媒[2,3]、チタニウム以外の遷移金属元素フリーなカラフル無機顔料[4], サーモクロミック型赤外線遮蔽スマートウィンドウ[5]等としての応用を紹介する。

[関連論文等]
[1] (Review) S. Yin*, Creation of Advanced Optical Responsive Functionality of Ceramics by Green Processes, J.Ceram.Soc.Jpn., 123, 823-834, 2015. DOI: 10.2109/jcersj2.123.823.
[2] (Review) Z. Zhao, J. Fan, H. Chang, Y. Asakura, and S. Yin*, Recent Progress on Mixed-anion Type Visible-Light Induced Photocatalysts, Sci. China Technol. Sci.,60, 1447-1457,2017. DOI 10.1007/s11431-016-9022-9.
[3] S. Komatsuda, Y. Asakura, J. J. M. Vequizo, A. Yamakata S. Yin*, Enhanced Photocatalytic NOx Decomposition of Visible-light Responsive F-TiO2/(N,C)-TiO2 by Charge Transfer Between F-TiO2 and (N,C)-TiO2 through their Doping Levels, Appl. Catal. B: Environ. 238, 358-364, 2018. DOI: 10.1016/j.apcatb.2018.07.038
[4] 殷シュウ、曹婧頔、朝倉裕介、長谷川拓哉、「二酸化チタン着色粒子及びその製造方法、並びに二酸化チタン粒子混合物」、特願2020-130912
[5] (Review) S. Yin*, A. Riapanitra and Y. Asakura, Nanomaterials for Infrared Shielding Smart Coatings. Funct. Mater. Lett., 11, 1830004 , 2018. DOI:10.1142/S1793604718300049.


大谷 亮先生 (九州大学, A01 公募)

[タイトル]シアノ系錯体分子ユニット集積体の複合アニオン化と構造特性

[概要]シアノ基有する金属錯体集積体は、様々な金属イオンとシアノ系錯体分子ユニットの組み合わせにより構造と機能設計が行われてきた。我々は、特に複合アニオン型五配位錯体分子ユニットを最小単位として得られる構造体の動的な特性(熱膨張・融解・イオン伝導など)に着目し研究展開してきた。今回のウェブセミナーでは、これまでに明らかになった分子ユニットの特性と五配位分子構造を最も生かした極性構造体について紹介する。

[関連論文]
1) 四配位鉄(II)配位高分子:Angew. Chem. Int. Ed. 2020, in press.
2) 融解してイオン液体化する金属錯体:Chem. Commun. 2020, 56, 7957; Chem. Eur. J. 2019, 25, 7521
3) 二次元配位高分子の熱膨張:Inorg. Chem. 2019, 58, 12739; Dalton Trans. 2019, 48, 7198; Inorg. Chem. 2018, 57, 11588; Inorg. Chem. 2017, 56, 6225
4) 超分子系:Angew. Chem. Int. Ed. 2020, in press.; Chem. Commun. 2017, 53, 13249; Dalton Trans. 2017, 46, 3749


内田 さやか先生 (東京大学, A01 公募)

タイトル:分子やイオンの吸着・輸送・変換場となる複合イオン化合物

要旨:塩化ナトリウムをはじめとしたイオン結晶は,等方的かつ長距離に及ぶクーロン力の働きにより,密で対称性の高い構造をとる。一方,イオン結晶の構成ブロックとして分子性イオンを用いると,その分子構造に応じて様々な結合を活用でき,分子やイオンの吸着・輸送・変換場となる複合イオン化合物が得られる。当日は,速度論と平衡論の活用による,複合イオン化合物の結晶多型やアモルファス相の合成についても紹介する。

参考文献:
(1) Frontiers and Progress in Cation-Uptake and Exchange Chemistry of Polyoxometalate-Based Compounds, Chem. Sci. 2019, 10, 7670–7679.
(2) Amorphous High-Surface-Area Aluminum Hydroxide-Bicarbonates for Highly Efficient Removal of Methyl Orange from Water, Langmuir 2020, 36, 6277–6285. (A01本橋先生、A02野田先生との共著)

発表内容の詳細は後日お知らせいたします。